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「はやぶさ2」成功を祈る日本の町工場 探査支える職人技 (2/2ページ)

「あの興奮をもう一度」

 横浜市金沢区の住宅街の一角にある従業員30人ほどの下平製作所も初代はやぶさに続き、はやぶさ2の土壌採取装置「サンプラーホーン」と、試料が入ったカプセルを地球に送り出す「カプセル分離スプリング」のばねをつなぎ合わせる部品約800個を製作した。

 同社は約半世紀にわたり、航空機や人工衛星の部品を製造。はやぶさとの関わりは、平成9年に、取引先の大手航空機部品メーカーの担当者から「こんなものを作れないか」と図面を渡されたのがきっかけだった。

 その当時ははやぶさという名称ではなく、「MUSES(ミューゼス)-C」というプロジェクト名で呼ばれることが多く、川口伸児社長も「数ある受注案件の1つとの認識しかなかった」と振り返る。

 初代はやぶさが打ち上げから7年後の平成22年6月に小惑星イトカワの表面物質を持ち帰ってきたことは多くの日本人に感動を与えた。川口社長は「今年は暗いニュースが多かっただけに、リュウグウから試料を持ち帰って、皆さんとあの時の興奮をもう一度味わいたい」と笑顔を見せる。キットセイコーの田辺社長も「この種のミッションは最後がとても大事。ぜひ有終の美を飾ってほしい」と期待を語った。

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