もっとも、ドコモは月内に既存の大容量プランの値下げも発表する予定で、この全容が判明しなければ、身動きがとりにくいジレンマも抱える。ソフトバンクはワイモバイルの新プランを12月下旬に導入としているが、ドコモの動きを見極めるため「先送りになる可能性もある」(関係者)。
強すぎるアハモには、KDDIやソフトバンクの契約者数や1人当たりの利用料金の拡大を牽引(けんいん)してきた「マルチブランド戦略」を機能不全にするインパクトをはらむ。両社は本体ブランドを大容量プランとする一方、シンプルでお手頃価格の格安ブランドをグループ外への顧客流出抑止やドコモからの新規顧客獲得の受け皿とし、その中で大容量通信を求める顧客がいれば本体ブランドへの乗り換えを促してきた。こうしたサイクルが回らなくなれば、戦略の軌道修正が必要になる。(万福博之)