そうした点に配慮して図面を書き上げた後の作業は工場が中心となる。金型を発注し、試作品を作り、同社独自のテストコースで走行試験や落下試験などを繰り返し、品質を確認する。問題がなければ、タイやベトナムの工場で量産体制に入る。通常は企画から販売まで約1年かかり、その間に鉄道会社に何度も監修してもらう。
時流に合わせ開発
基本構成は変わらず、60年前のレールをつなげて遊ぶこともできるプラレールだが、時流に合わせた開発にも力を入れている。実在する車両以外に「きかんしゃトーマス」や新幹線がロボットに変形する「シンカリオン」も発売しており、いずれも人気シリーズとなっている。
機能面では白色LEDを搭載し、トンネルで走らせるとかっこよく見える車両やドアが開閉する車両、「プラキッズ」と呼ばれる人形なども発売し、遊びのバリエーションを広げている。
同社によると、最も売れた商品はレールで、車両では東北新幹線E5系「はやぶさ」や新幹線電気軌道総合試験車923形「ドクターイエロー」が上位人気を占める。同社にはたくさんの手紙やメールが届いており、「自分の住む地域の車両を作ってほしいという声が一番多い」(手塚氏)という。
プラレールが子供を魅了する理由について、手塚氏は「日本は鉄道が身近な存在でヒーローになっているのが大きい」と話す。遅延の多い海外の鉄道とは異なり、日本の鉄道はかっこよく、将来なりたい職業に運転士が上位に入るなど子供たちにとって憧れの存在でもある。
今年のクリスマスはサンタクロースから、どれくらいのプラレールが子供たちのもとに届けられるのだろうか。(黄金崎元)