未来への羅針盤

テクノラボ、海洋プラごみをプレスで皿に 独自技術で工芸品化 (1/2ページ)

 感染症の対策などからプラスチック製品の需要が高まる一方、心配されているのがプラスチックごみの増加だ。プラごみの9割がリサイクルされずに海に流出されるという。環境省によると、海洋には毎年800万トン以上のプラごみが流出しており、2050年には海洋中のプラごみの重量が魚の重量を超えると指摘されている。こうした世界的な課題の解決に役立とうと、横浜の中小企業「テクノラボ」が立ち上がった。

 ◆特徴をデザインに

 プラスチック製品のデザインや開発を手掛けるテクノラボは7月、海洋プラごみを原材料とした雑貨ブランド「bu?y(ブイ)」を立ち上げた。プラスチックの成型、加工技術を生かし、海洋プラごみをトレーなどに再生した。

 きっかけは2年余り前、林光邦社長が自宅近くの海岸を散歩していた際、大量のプラごみが散乱しているのを目にしたことだ。「プラスチックがこんな姿になっているのを、プラスチックで事業を営む者として看過できなかった」と話す。

 海岸で集めたプラごみで工芸品を作ろうとのアイデアはすぐに浮かんだが、素材も色もばらばらのプラごみをまとめて一つの材料として扱うのは難しい。そこでテクノラボは色や素材が異なるプラスチックを一つの製品として形を整える技術を独自に編み出した。この技術は既に特許申請をしているという。

 今年1月、不特定多数の人からインターネットで資金を集める「クラウドファンディング」を活用し、神奈川県内の海岸から集めたプラごみを材料に工芸品を試作。好評だったことから、社内プロジェクトから正式にブランドとして立ち上げることになった。

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