テクノロジー

日の丸技術、6Gで「ゲームチェンジ」 産官学一体で先行開発目指す (2/2ページ)

 実用化の10年も前からオールジャパンの取り組みを始めるのは、6Gの国際規格づくりをにらんでの動きだ。開発環境の整備などを通じて6G関連技術の特許を確保し、特許を利用した技術の国際標準への採用を狙う。国際標準に組み込まれれば、自社技術の市場が広がり、素早い製品投入が可能になるため、欧米や中国、韓国などに先行された状況を逆転する「ゲームチェンジ」が狙えるとみている。

 30年特許シェア10%

 5Gでは韓国サムスン電子や中国華為技術(ファーウェイ)などが特許数でリードし、日本勢の存在感は薄いが、6Gで日本は30年時点で特許シェア10%と現在のトップ企業と同じ水準を目指す。

 6Gに向けて、NTTは回線から端末までの通信や情報処理を電気信号を使わずに光だけで実現する「IOWN(アイオン)」という構想を提唱している。電気信号への変換をなくすことで消費電力を100分の1に減らせるという。セキュリティーの面では東芝やNECが強みを持つとされる量子暗号技術に期待がかかる。

 もっとも、6Gをめぐっては既に18年頃から米国や中国、韓国、北欧勢などが研究拠点の確保や戦略策定などの取り組みを始めるなど国際競争が激化しており、劣勢だった日本勢も戦略が問われる。

 NTTドコモを完全子会社化したNTTの澤田社長は、NTTとドコモの研究開発部門が一体化することで6Gの競争力が増すと説明。NTTドコモの井伊基之社長は「世界に勝つには英知を結集し、今までにない技術を生み出さなければならない」と強調している。

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