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飲食店時短で農漁業に打撃 ハーブやカニ、高級食材の発注激減と価格下落 (1/2ページ)

 関西3府県などで再発令された緊急事態宣言により、時短営業要請を受けた飲食店以外にも影響が及んでいる。飲食店に食材を提供する農業や漁業といった第1次産業もその一つ。とりわけ料亭やレストランが扱う高級品への打撃が大きく、生産者は危機感を募らせている。

 「飲食店からの定期的な発注はすべてなくなった」。宣言対象地域外の奈良県葛城市で、フランス料理などに添える小さな野菜「マイクロベジタブル」や食べられる花「エディブルフラワー」、ハーブの生産・販売を行う「寺田農園」の寺田昌史さん(52)はため息をつく。

 主な出荷先は、大阪の高級レストラン。ハーブなどは一般家庭で扱われにくい食材のため、前回宣言時と同様に売り上げは激減し、1月は例年の3分の2まで落ち込むと予測している。「それでも、作物の世話や畑の維持管理、従業員の賃金も必要だ…」。水道・電気代などの固定費で月に約300万円はかかるため、不安がよぎる。

 奈良の県産ブランド「大和牛」や「大和肉鶏」にも影響が出始めた。県の担当者は「高級品や珍しい品は都市部で消費される傾向が高く、大打撃」と話す。

 海の幸も、ズワイガニやアカアマダイといった、主に料亭向けの高級魚介類を中心に価格が上がらない。日本海に面した京都府北部では、昨年1キロ1500円前後だった寒ブリが今年は半値ほどまで落ち込んだ。漁業者には大きな痛手だ。

 卸売業者の「大阪北部中央青果」によると、刺し身料理を彩る菊花や大葉といった「つまもの」の価格低下も顕著という。メロンなど高級果物も大きく価格を下げており、別の業者の担当者は「廃業を決める生産者もいる」と明かした。

 柿生産量全国1位の和歌山県が、約10年がかりで開発した高級柿の新品種「紀州てまり」は、販路開拓の出ばなをくじかれた。昨秋、東京の百貨店向けに初出荷。伊勢丹新宿店では1個600円以上で販売されたが、出荷できたのは10、11月の2回のみで、消費者向けの試食会も開けなかったという。

 栽培農家でつくる「柿消費拡大対策事業協議会」の村田昌隆会長は「新しい食べ物は試食で味わってもらうことが肝心なだけに、痛かった」と嘆く。

 主産地を抱えるJA紀北かわかみでは、「巣ごもり需要」を見据えたネット販売も検討。村田会長は「家庭用にも幅を広げて販売していきたい」と語った。

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