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倒産17.0%減、業種で濃淡 20年度7163件、宿泊・居酒屋急増 (1/2ページ)

 東京商工リサーチが8日発表した2020年度の企業倒産件数(負債1000万円以上)は、前年度比17.0%減の7163件で、2年ぶりに減少した。8000件を割るのは30年ぶり。新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の企業への資金繰り支援などが効き、過去50年で4番目に低い水準だった。ただ、1月に入り大都市圏で感染が再拡大したことで宿泊業や居酒屋の倒産件数が急増するなど、業種や業態によって感染の影響の濃淡がはっきりしてきた。

 負債総額は4.4%減の1兆2084億で、3年連続減少。新電力事業者のF-Power(負債総額464億円)や格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパン(同217億円)などの大型倒産があったものの、大半が負債総額1億円未満の中小・零細の倒産で、全体では減少した。

 倒産件数の減少について、日本総合研究所の安井洋輔主任研究員は「政府による中小企業向け資金繰り支援に加え、13年以降の景気拡大期に企業が投資を抑制し、現預金を積み上げてきたことで倒産件数は3000件ほど抑制することできた」と分析する。

 産業別件数では、10産業のうち、金融・保険業と不動産業を除く8産業で減少した。だが、件数が減少した業種であっても、業態によっては過去最多の倒産件数を記録するなど二極化は鮮明になっている。

 特に顕著なのはサービス業だ。サービス業全体の倒産件数は8.7%減の2437件に減少したが、その内訳では増加しているものもあり、コロナ禍の自粛の影響で打撃を受けた宿泊業は71.6%増の127件に急増した。

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