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黒川紀章の知られざる別荘「カプセルハウスK」 50年の時を経て一般公開

 東京・銀座の「中銀カプセルタワービル」で知られる黒川紀章氏(1934-07)設計の「カプセル建築」の一つで、50年間非公開だった「カプセルハウスK」(長野県御代田町)が5月に一般公開される。工学院大学の鈴木敏彦教授らと黒川氏の長男、黒川未来夫(みきお)さんが代表を務めるMIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIOが進める「カプセル建築プロジェクト」の一環で、6月には民泊利用も開始する予定で準備が進められている。

 現代を予言していた「カプセル建築」

 1970年の大阪万博でカプセルを用いたパビリオンを発表し、1972年には東京でカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」を竣工したことで話題を呼んだ黒川氏。これらの「カプセル建築」は、住人のライフスタイルや用途に合わせて「カプセルごと交換する」という画期的なコンセプトで注目を集めた。

 「カプセルハウスK」は1973年に黒川氏が長野県北佐久郡に自身の別荘として建てたもの。山間にあって人目につくこともなく、基本的に非公開としていたため、これまでその存在は広く知られていなかった。建築物としては初期の良好な状態が保たれており、2019年に所有権を得た長男の未来夫さんの手によって50年の時を経て一般公開されることとなった。

 未来夫さんとともにプロジェクトを手掛ける工学院大学の鈴木敏彦研究室は、「黒川氏の“カプセル宣言”は、半世紀後の私たちのライフスタイルを予言していたのではないかと考えさせられる。テレワークや『二拠点居住』など、黒川氏が想定した“ホモモーベンス”(移動民)の暮らしが現実味を帯びてきており、黒川氏のカプセル建築にはこれからの暮らしに役立つヒントがあると考えている」とコメント。保存活動の一方で、社会や環境に変化する建築としてのカプセル建築の現代的意義を見る者に問いたいとしている。

 公開に向けての詳細は決まり次第、「カプセル建築プロジェクト」の公式サイトで告知する。なお、「CAPSULE HOUSE-K」修繕プロジェクトとしてクラウドファンディングも実施している。

SankeiBiz編集部
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