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最強の法務部? マジコン、マリカー…特許権侵害訴訟で勝ち続ける任天堂 (2/2ページ)

SankeiBiz編集部
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 全面勝訴の「マリカー訴訟」

 伝説は続く。記憶に新しいのが「マリカー訴訟」だろう。マリオなどの衣装と公道用のカートを貸し出し、走行している映像を宣伝に利用したのは不正競争行為にあたるなどとして、任天堂がカートレンタル会社「マリカー」(現・MARIモビリティ開発)側に損害賠償を求めた訴訟だ。2020年1月、控訴審の知財高裁は、不正競争行為がMARI社の売り上げに貢献した度合いは「相当に大きい」として、1審判決の1000万円から増額。請求通りとなる5000万円の支払いを命じた。

 MARI社は任天堂の人気ゲーム「マリオカート」の略称「マリカー」を社名やサービス名に使用していたが、判決は、マリオカートの「高い顧客吸引力」を「不当に利用する意図で不正競争行為をしていた」と指摘。「マリカー」との標章や衣装の使用差し止めも認めた。任天堂の全面勝訴である。SNS上では「最強伝説が更新された」「邪魔だし危なかったからこれは嬉しい」といったコメントが相次いだ。

 現在係争中の訴訟もある。スマートフォン向けゲームなどを開発する「コロプラ」を相手取り、同社が提供する冒険ロールプレイングゲーム「白猫プロジェクト」が任天堂の特許権を侵害しているとして、提供差し止めと損害賠償を求めた訴訟だ。コロプラによると、任天堂は2016年に任天堂が保有する特許権を侵害していると指摘。コロプラは1年以上、任天堂に説明してきたが主張が受け入れられず、訴訟に至ったといい、「特許権を侵害する事実は一切ないと確信している」として争う姿勢だ。

 請求金額は当初44億円と損害遅延金だったが、その後引き上げられ、さらに今年4月、96億9900万円に増額。その巨額の請求金額にユーザーの間でも衝撃が広がり、SNS上では「97億ではないちょっとお得感出してんの面白い」といった反応もみられた。

 ネット上で話題になった任天堂法務部門の“伝説”だが、実は必ずしも全て“完勝”というわけではなく、和解に至ったケースもある。

 多くのユーザーが今回の訴訟の行方も注視している。

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