《東芝の定時株主総会は、昨年7月の定時株主総会の運営が公正だったかどうかをめぐる調査結果の報告が続いている。担当者は、東芝と経済産業省が株主提案権や議決権の行使を事実上妨げたようと画策したなどとして「公正に運営されたとはいえない」と説明した。続けて永山治取締役会議長が発言に立つ》
永山氏「調査報告書の指摘を重く受け止めている。客観的かつ透明性のある真相の究明を行い、責任の所在の明確化、再発防止策などをとりまとめ、今後の経営改善に取り組む」
《続けて取締役の選任についての議案が上程された。報告書の内容を受け、東芝は監査委員会委員長の太田順司氏ら2人の選任案を撤回している。綱川智社長はしかるべき時期に新たな人物の選任を提案する意向を示した》
《次に畠沢守副社長が、事前に寄せられた株主からの質問に回答していく。問題に関与した人物の処分についての質問が読み上げられる》
畠沢氏「圧力問題に関与した役職員への対応は今後、外部の第三者の参画も得て再発防止策などの取りまとめを進める中で、必要に応じて検討する」
《このほか業績や東芝が当事者となる訴訟に関する質問が続く》
《続けて会場からの質疑に移った》
男性株主「東芝の調査報告書を読んで、平成27年の不正会計問題と同じ香りがした。社員が持つ独りよがりな価値観を改善する機会だったのに生かせなかった。11人の取締役は修正を指導できる人物なのか」
綱川氏「取締役の人物像についてということだが、動議か、意見か」
男性株主「不正会計問題やそれ以降の問題を分析報告し、意識改革をすると宣言するのなら動議だ」
綱川氏「上程されている議題の範囲内でしか扱えないが、少し回答したい。不正会計問題は真摯(しんし)に反省し、コンプライアンス意識の改革をしてきた。今回の問題も真摯に重く受け止めている。ただその後は即座に会議を開いて取締役候補者2人を取り下げたり、外部の第三者を交えた真相究明、再発防止策の策定を指示した。不正会計問題とは違う、しっかりとした対応をしたと理解している」