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コロナ同棲を狙え ちょっとした旅行気分、お試しで物件紹介 (1/2ページ)

 コロナ禍で同棲を考えるカップルが増えているらしい。不安感が増大するなか「誰かと一緒にいたい」と考えたり、なかには家賃の節約を考えて同棲を検討する人もいるという。最近は、モラハラ、DVなどが問題化するなか、結婚後のトラブルをできるだけ抑えたい、とお試し同棲を望む人もいるそうだ。ただ、実際に実行しようとすると住宅の初期費用がかかったり、環境が整わなかったりと、同棲のハードルは低くない。気軽に同棲を始める方法はないか。そんなポイントに目をつけた広島の不動産会社が最短1週間から同棲を体験できるプランの提供を始めた。

 ちょっとした旅行気分

 広島県府中町の不動産会社「オールハウス」が5月末から始めたのは、同棲カップルを対象にした物件紹介サービスだ。

 サービスを行っているオールハウス経営戦略部の大番利加さんによると、「同棲してみて生活が破綻しないかどうか、見極めたいという堅実的、現実的な考えの人も多い」と話す。

 オールハウスのサービスでは、契約期間は1週間から可能で、契約金も一般賃貸契約のような敷金、礼金は不要。初期費用をクリーニング代と家賃のみに抑えられるのが利点だ。保証人不要のため、ちょっとした旅行気分で借りられる。

 また、家具と家電付きで、インテリア全体はインテリアコーディネーターが担当するこだわりぶりだ。

 ステップアップを

 かつて、同棲といえば、それなりに壁があった。1人暮らしの契約なのに、無許可で2人で住めば、場合によっては契約違反で退去になりかねない。2人入居だと、家賃が高くなる場合もある。賃貸物件の場合、同棲利用のケースを、避けたがるオーナーもいた。

 また、一般賃貸契約の場合は契約期間はほとんど2年から。初期費用もそれなりに必要で、同棲したものの、すぐに関係解消となり、早期解約すれば、違約金を払わなければならない可能性もある。

 しかし、最近の賃貸市場は少子高齢化で空室率は高くなる一方。そこで、不動産会社が業務を一元化し、賃貸経営を代行する形にすることでオーナーの負担やリスクを軽減。不動産会社も顧客開拓へつなげたい思惑があるという。

 オールハウスは、注文住宅から不動産事業まで幅広く手がけており、賃貸事業部次長の浜地隼大さんは、期間限定の気軽な利用を手始めに「その後は別の物件での一般賃貸への切り替え、さらには家を購入…というランクアップにつなげていければ」と、その狙いを話す。

 問い合わせ殺到

 同様のサービスを行う業者は首都圏にもある。民泊や月決め賃貸マンションの運営などを行うマツリテクノロジーズ(東京都新宿区)は「おためし同棲」として契約期間1カ月からの同棲特化サービスを行っている。

 「昨年は多いときで問い合わせ数が1日約300件ぐらいあった」と話すのは、マツリテクノロジーズインサイドセールス部マネジャーの加藤拓真さん。問い合わせの中心は20代前半で、ともに実家暮らしのカップルが多いという。現在も「コンスタントに1日5~10件ぐらい」と反響は続いている。

 だが、同社の場合、「成立は問い合わせ数に対して約5~6%」という。問い合わせ数は多いが、住みたい理想の部屋と金額なども含めた現実とのギャップは大きいという。

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