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不織布マスク便利にチェンジ マジックテープで呼吸を楽に、建築設計業者が開発 (1/2ページ)

 「マスク会食をもっと便利にできないか」「たまにはマスクを開放したい」。収束の見えない新型コロナウイルス禍のなか、こんな願いをもった人は多いだろう。これに応えようと用途に応じて形態が変化する不織布マスクが登場した。その名も「マスクチェンジャー」。開発したのは建築関連会社と研究者だ。畑違いの開発に取り組んだ背景には、建設作業員のマスク装着の負担を軽減しようとの思いがあった。

 着脱可能なひも

 「ゴムを取り外すことでマスクを付けたまま食事がしやすくなります」

 9月下旬、大阪市北区の鉄板焼き店「鉄板野郎 お初天神裏参道店」で開かれたマスクチェンジャーの体験会。開発した適正地盤構造設計(同区)の大山雅充社長(58)が、体験会に集った周辺の飲食店店主らに説明した。

 見た目は通常の不織布マスクだが、違いは耳にかけるひもの先に取り付けられたマジックテープだ。マジックテープで不織布部分の好きな位置に着脱できる。上部のテープを下部に移動させればマスクの上半分がめくれるようになり、下部のテープを上部に移動させれば下半分がめくれる。めくればマスクを外すことなく食事ができる。

 また、マスクの内側には形状記憶ワイヤを横断させており、V字形に曲げることでマスク下部に3センチ程度の隙間が開く。ひもの位置をずらさなくても隙間ができ、呼吸しやすくなるほか、暑さ対策にもなる。

 ひもは他の不織布マスクにも着脱可能だ。参加した飲食店主らは「確かに便利」「マスク会食が定着するきっかけになれば」などおおむね好評だった。

 コロナきっかけ

 もともと木造住宅の構造設計や地盤改良などを手がけている大山社長。医療やマスクなどとは無縁だったが、関わるきっかけはコロナだった。

 大山社長は、国土交通省の補助対象事業に採択された、人工知能(AI)を活用して木造建築の構造計算などを行うプロジェクトを手がけていた。だが、コロナ対策として密集を避けるため、メンバーが同じ場所に集うことが難しくなり中断した。

 そのころ、防護服を着た医師や看護師らが汗まみれになりながら対応に追われている姿をテレビで見て「建設現場のファン付きウェアのように、ファンの付いたマスクが作れないか」と思ったのがきっかけだった。

 建設現場でも活用できると考えた。夏はもちろん、冬でも息が荒くなる作業のときは、マスク着用は厳しいとの声を聞いていたからだ。

 看護師をしている妻と長女からも意見を聞きながら、「楽なマスク」をコンセプトに試行錯誤を重ねた。当初思いついた「ファン付き」のマスクはあきらめたが、ペット用おむつからヒントを得てマジックテープを活用しようと発案。さらに試作を繰り返して完成した。

 大山社長は「緊急事態宣言が解除されたが、しっかりとマスクで感染対策をしていくことが重要」と力説する。

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