阪大も開発協力
開発には、国交省のプロジェクトでタッグを組んだ大阪大名誉教授で福井工大の宮本裕司教授(建築構造学)も参画。開発の過程では阪大の学生に着用してもらい、意見を反映した。
宮本教授は「学生らの意見を聞いてみると、マスクに少し隙間を開けただけで楽になることが分かった。マスク着用で感染予防することも大切だが、同時に呼吸を楽にすることも大切だ」とする。
建設会社の協力を得て実際の建設現場で作業員に使ってもらい、感想を聞いたところ「息苦しさがなく、風の影響も受けにくい」など好評価だったという。商品は特許も出願した。
料金は1枚850円。適正地盤構造設計が開設した専用サイト(https://maskchanger.com/)で受け付けている。
大山社長は「マスクチェンジャーは、マスクとノーマスクの間に位置づけられる商品。着用して息苦しくなることはないし、他人に不快感を与えることもない」と話す。売り上げの一部は医療従事者への寄付にあてる方針だ。
異業種 次々参戦
コロナ禍で本業が影響を受けたことで、新たな事業を展開する企業が相次いでいる。
広島県呉市の食品サンプル業、ハンドワークスレナインは、長時間のマスクを着用で耳が痛くなるという悩みが多いことから昨年5月、食品サンプルで用いているプラスチック成形技術を応用したマスクバンドを開発。カラフルな色合いから最大2カ月待ちの人気となり、約8千本を販売した。
同社の若松信也代表(39)は「昨年4月に本業の受注がゼロになり、危機感が募るなかでわずか1週間で開発した」と振り返る。
関西を中心に「お菓子のデパートよしや」を展開する菓子卸販売会社、吉寿屋(よしや)(大阪府摂津市)は、駄菓子のパッケージを印刷したマスクケースを販売。今年7月にはマスクケースデザインコンペティションを開催し、408点もの応募が集まった。(格清政典)