第1弾として今夏、エリアに多い「昭和レトロ」な喫茶店をホテル内で紹介した。また、周辺のライブハウスのチケット半券を提示すれば、格安で泊まれるプランも10月に投入。関西で活躍する芸術家のアート作品を、ホテル内や近隣の飲食店に展示するイベントも11月にも開く予定だ。
同ホテルは「今後は観光客と地域をつなぐハブ拠点としての役割をホテルが担わなければならない」と意気込む。
近隣にある観光名所、露天神社(お初天神)も地域の盛り上げに期待する。吉澤克規宮司は同ホテルの取り組みに対し「神社としてもできる限り協力し、曽根崎エリアを盛り上げる旗振り役として活躍してほしい」と話す。
地域の特色 共同で売り込む
宿泊施設経営者らでつくる全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の青年部が、2~3月に加盟施設270軒を対象に実施したアンケートによると、今後始めたい新たな取り組みとして44・4%と最も多かったのは「地域の他施設などと連携した集客やプラン開発など」だった。
全旅連青年部は「宿だけを目的に来るお客さまが増えており、地域の魅力を伝えていくことが必要となっている。地元客が増える中で、地域の観光資源発掘が求められており、宿と地域が協業する必要が高まっている」と話す。
加盟施設の中では地元スーパーとの提携や、地域での体験プランの窓口を一括化するといった取り組みが始まっているという。
ホテルジャーナリストの井村日登美さんは「近年はインバウンドを狙って地域外から参入した観光業者ばかりがもうかるといったケースも散見された。観光客の急増で生活環境が乱されるとの住民の不満も高まっていた」と指摘。「観光はそもそも、その地域の特色を売り込むもの。地域と連携し、地元に広くお金が落ちるようにしなければならない。住民生活と共存する視点も欠かせない」と話している。(田村慶子)