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集いの場へ…楽しみ2倍、変わるスタジアム ジムや保育園を併設 (2/2ページ)

 2つのスタジアムの共通点は、駅近のロケーション以外にも「いろんなことができる空間的な余地がある」(小森さん)▽「活用できる諸室がたくさんある」(音田さん)-との設計上の特徴だ。施設にあらかじめ「余白」をつくっておくことで、多機能性をもたした。

 さらには、スポーツや施設管理に知見のある民間企業が指定管理者となり、柔軟な発想で運営できる点もメリットだ。民間の発想を取り入れ、公民連携で「稼げる」スタジアムを目指した。

 「スタジアムは単なるハコものではなく、集いの場。文化面も充実させて『ここに来れば、なんでもそろう』を目指したい」と音田さん。小森さんは「スタジアムは街の中核。いろんな物を集結させ、多くの人を引き付ける力がある。人材育成とイノベーション(技術革新)を核に、人が育ち、地域の課題解決に役立つ、未来に向けた場所にしたい」と話している。

 受講生のアイデアも活用

 関西の主要サッカースタジアムで一足早く平成28年に開場したガンバ大阪の「パナソニックスタジアム吹田」(大阪府吹田市)は、多機能スタジアムでも先輩格だ。ソフト面の取り組みが充実している。

 チーム創立30年の節目を迎えた今年は記念事業の一環として「ガンバ大阪サッカービジネスアカデミー」を開講。座学を通じてスポーツビジネスのノウハウを学んだ受講生がスタジアムを活用した集客や社会貢献などのアイデアを企画し、チームの運営会社とともに実行に移した。

 9月末に行われた「SDGs(持続可能な開発目標)クイズ」もその一つ。スタジアムのコンコースにあるデジタルサイネージを使ってクイズを出題。正解すると、タンブラーやエコバッグなどがもらえる。11月6日には防災の知識を身につけつつ、ピッチサイドで避難生活体験を行う「防災キャンプ」も実施。運営会社の担当者は「われわれにはない発想もあるし、チーム運営のことも分かってもらえる」と期待を寄せている。(北川信行)

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