EV無線充電の実用化へ法整備 トヨタなどの16年度市場投入に期待

 

 総務省は25日、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の充電をコードを使わずに行える「無線充電」に関する技術基準を盛り込んだ省令を12月中に施行する方針を固めた。実用化に向けた法制度上の道筋が立ったことで同省は、既に実験に取り組んでいるトヨタ自動車や日産自動車の2016年度の市場投入に期待をかける。また同省は11月に開かれる世界無線通信会議(WRC)に無線充電に関する日本の規格を提案し、国際標準化も目指す考えだ。

 無線充電システムを使えば、駐車場の地面などに設置したコイル板の上に、コイルを装着した自動車を停止することで、電磁誘導の仕組みによりコイル間で電力をやり取りし自動車の蓄電池に電力を取り込める。7.7キロワットの出力では約4時間、3キロワットでは約8時間で充電が完了するという。「通常の充電方法だと『コードが重いので不便』などの声が女性から上がっている」(同省幹部)という。

 同省は2年前からトヨタや日産、デンソーなど自動車関連企業、鉄道の研究機関などと、電波機器との干渉や人体への影響などについて実験や議論を重ねてきた。情報通信審議会が作業部会の検討を踏まえて今夏、技術基準の概要について総務相に答申。同省が実用化に向けた省令策定を進めている。

 同省は、20年には国内で販売されるEVやPHVのうち無線充電の比率が15~20%に上ると想定しているが、市販化に向けては課題も残る。無線充電の最大出力は7.7キロワットと現行の急速充電装置の約6分の1程度のため、充電にはより長い時間が必要となる。また、コイルとコイルの間に動物や人が入ると危険なため、センサーを使った安全装置も欠かせない。

 トヨタや日産は技術基準に基づいた実験を進める一方、海外メーカーに対して日本の規格の採用を働きかけているという。総務省は11月2日からスイス・ジュネーブで開かれるWRCに同規格を提案。4年後のWRCでの標準規格化に向けて調整に入る。官民連携で日本の自動車用無線充電規格の業界標準化を目指す。

 ■無線充電に関する省令のポイント

 電力伝送方式   電磁誘導と磁界共鳴

 伝送電力の出力  最大7.7キロワット

 利用周波数    79キロ~90キロヘルツ

 伝送距離     0(密着)~30センチ

 電波干渉への対応 線路から5メートル離すなど