流星観測カメラが宇宙へ 千葉工大開発、打ち上げ成功

 
打ち上げの瞬間を見守る千葉工業大学惑星探査研究センターの荒井朋子上席研究員(右)=23日、千葉県習志野市の同大学習志野キャンパス

 千葉工業大学が開発した流星を観測する超高感度ハイビジョンカメラ「メテオ」を積んだロケットが米東部時間22日午後11時5分(日本時間23日午後0時5分)に、米ケープカナベラル空軍基地(フロリダ州)から打ち上げられた。ロケットは予定の軌道に到達し、打ち上げは成功した。

 千葉県習志野市にある千葉工大津田沼キャンパスで開かれたパブリックビューイングには、この研究プロジェクトを担当した惑星探査研究センターの荒井朋子上席研究員(45)をはじめ、大学関係者など約250人が、大型スクリーンを通じて打ち上げの様子を見守った。午後0時26分、打ち上げが成功したと伝えられると、大きな歓声と拍手がわき起こった。

 荒井上席研究員は「打ち上げからの20分ほどはとても長く感じた。ようやく流星の観測が始まるので、喜びとともに緊張感もある。補給船と国際宇宙ステーション(ISS)とドッキングできない事故もあるのでまだ安心できない」と話した。

 補給船は26日(米東部時間)にISS到着後、メテオの取り付け工事や地球上との交信試験などを経て、5月にも世界で初めてとなる宇宙からの流星観測を約2年間にわたって、毎日2、3時間ほど行う。春から夏のみずがめ座流星群や、秋のオリオン座流線群などが観測できる見通し。

 流星の明るさや飛跡から流星塵(ごく小さな流星の燃えかす)の大きさや化学組成を調べる。地球上からは観測が難しい小惑星や流星群の実態の解明が期待される。

 メテオは2014年10月、15年6月に打ち上げを試みたが、いずれもロケットが打ち上げ直後に爆発、失敗に終わった。

 今回、3度目の打ち上げに挑んだ。

 3度目の打ち上げにあたり、カメラを改良。広角レンズを使い撮影できる角度を広げ、よりたくさんの流星を捉えられるようにした。