産学官で新バイオ産業 経産省が研究組織、AI連携加速
バイオテクノロジーを人工知能(AI)と組み合わせて新産業へ育成するため、経済産業省が産学官の共同研究組織づくりを検討していることが19日、分かった。20日の有識者会議で発表する。遺伝子の分析や合成などのバイオ技術を、製造業や食料分野など他産業にも応用しやすい環境を整えて、実用化を加速させる狙いだ。
分析した遺伝子情報をデータベースにまとめ、注力する分野を明確化。その分野の基礎技術を確立し、大量生産を前提に、応用できる産業や製品を絞り込んで周辺技術の開発も進める。
こうした成果を生産現場で実用化するため、産学官に幅広く開かれた共同研究体制を構築する。人材育成の拠点としても活用することで、さらなる発展に向けた好循環を生み出す。経産省は年内にも、支援策を盛り込んだ戦略を取りまとめ、産業化を後押しする新制度や規制緩和などを検討する。
バイオ技術はAIとの組み合わせなどでDNAの解読費用が7年前に比べ、1万分の1になるなど、技術革新が著しい。医療分野では2050年に38兆円規模の市場が見込まれているほか、製造業や食料分野などでも大きな変革をもたらす見通し。石油を原料としていたプラスチックを、植物の遺伝子を人工的に改変した別の原料から低コストでつくり出したり、これまでより長期間保存できるなど、農作物の品種改良も容易になり、食糧不足の解消にも役立つ。
欧州連合(EU)と米国は既に12年にバイオ分野の産業化に向けた戦略を公表している。EUは30年までに5180億円を投資するとし、米国は同年に170万人の雇用と2000億ドル(約21兆円)の市場を創出するとしている。
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