子宮頸がんワクチン、副作用の63人一斉提訴 15~22歳女性、国と製薬企業の責任問う

 
東京地裁に入る、子宮頸がんワクチン薬害訴訟の原告団ら=27日午後、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)

 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)接種後に健康被害を受けたと訴える15~22歳の女性63人が27日、国とワクチンメーカー2社に損害賠償を求める訴訟を東京など4地裁に起こした。一連の問題で国などを相手取った訴訟は初めて。HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団は「ワクチンの承認や推奨、安全性などの情報提供のあり方を根本的に問いたい」としている。

 訴えを起こしたのは、ワクチン接種後に体の痛みやしびれ、記憶障害などの健康被害が起きた63人で、内訳は東京地裁28人、名古屋地裁6人、大阪地裁16人、福岡地裁13人。請求額は原告1人当たり慰謝料1500万円にそれぞれの治療や介護などの費用を加える。

 訴状によると、原告はワクチンが免疫を活性化させて体に炎症を生じさせ、さまざまな症状を引き起こすと主張。海外で重い副反応の報告があり、国は健康被害を予見できたのにワクチンを承認し、平成22年以降は補助事業や定期接種で接種を勧奨して被害を拡大させたとした。製薬企業には危険性が高いワクチンを製造した責任があるとした。

 原告は健康被害が起きる危険性を知らされないままワクチンを接種し身体的な被害を受けたほか、日常生活や将来設計の変更を余儀なくされたとしている。

 厚生労働省とワクチンを製造するグラクソ・スミスクライン(東京)は「訴状を受け取っていないのでコメントは差し控える」、MSD(同)は「法廷で証拠を提出する」としている。

     ◇

 子宮頸がんワクチン 子宮の入り口付近にできる子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチン。HPVの50~70%を占めるウイルス型に効果があり、筋肉注射で3回接種する。20~30代の若い患者が急増し、小学6年から高校1年に相当する女子を対象に平成25年4月から原則無料の定期接種となった。けいれんなどの副作用報告が相次ぎ、厚生労働省は25年6月、接種を促すはがきを家庭に送るといった「積極的な勧奨」を中止した。