「出前館」創業者、初公判で無罪主張 「人をだまして株価を操縦してやろうと思って買ってない」 

 
産経新聞の取材に応じる花蜜伸行被告=3月2日、東京都港区(大竹直樹撮影)

 ジャスダック上場で日本最大級の宅配サイト「出前館」を運営する「夢の街創造委員会」(大阪市中央区)の株式をめぐる相場操縦事件で、金融商品取引法違反(相場操縦)の罪に問われた同社創業者で元社長の花蜜伸行被告(47)の初公判が4日、東京地裁(佐藤卓生裁判官)で開かれ、花蜜被告は「企業価値や時価総額を高めたいと株価を上げたことは事実だが、他人を巻き込む相場操縦をしていると考えたことはなかった」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、花蜜被告が「創業者である自分が同社の経営に関与するようになったために同社株の株価が上昇したと市場から評価されることをもくろんだ」と指摘。露骨な買い上がり買い付けや終値関与を繰り返していたため証券会社から信用取引の停止措置を受け、知人に証券口座を開設させ犯行を継続していたことも明らかにした。

 起訴状によると、花蜜被告は知人女性と証券会社元社員の男性と共謀し、平成25年7月~26年5月、「夢の街」の株式に大量の買い注文を入れるなどして株価を操作したとしている。

 「違法ではないと思っていた」と当初犯意を否定していた花蜜被告は、捜査段階で「まずいとは分かっていたが、法令順守の意識が弱かった」と認めたとされる。しかし、4日に会見した花蜜被告は「人をだまして株価を操縦してやろうと思って買ったつもりはなかった」と主張。主任弁護人を務める郷原信郎弁護士は「売買を誘引する目的、相場を安定させる目的で行ったものではなく、犯罪は成立しない」と強調した。