宇宙ごみ除去 JAXA こうのとり使い1月末から実験
「宇宙ごみ」を取り除く技術の実験が今月末から始まる物資補給機「こうのとり」(JAXA提供)
人工衛星などに衝突して被害をもたらす恐れがある「宇宙ごみ」を取り除く技術の実験が、今月末から物資補給機「こうのとり」6号機を使って行われる。日本が開発中の独自の手法で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10年以内の実用化を目指す。
こうのとりは28日、国際宇宙ステーション(ISS)を離脱。従来はそのまま大気圏で燃えて役目を終えたが、今回は廃棄前に宇宙ごみの実験を約1週間行う。
宇宙ごみに見立てた20キロの重りを長さ700メートルの針金の先端に取り付け、宇宙空間に漂わせる。針金に電気を流し、地球の磁気の影響で重りを降下させる力が生じることを確かめる。
将来は除去用の衛星を打ち上げて宇宙ごみに針金を取り付け、大気圏に落下させて燃やす構想だ。ごみにエンジンを取り付けて落下させる方法と比べ、低コストなのが利点という。
宇宙ごみは不要になった衛星やロケットの残骸で、地球の周りを秒速約8キロの猛スピードで飛んでいる。ISSに衝突すると、損傷による空気漏れで飛行士の生命を脅かしかねない。10センチ以上の宇宙ごみは約1万8000個で今後も増加が見込まれており、対策は国際的な課題になっている。
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