寄付金は名義のみか「報道ベースのことは回答控える」

籠池氏招致詳報(6)
府議会参考人招致で、参考人席に座る籠池泰典氏。目を閉じて質問を聞く場面も=10日午後、大阪府庁

 《約20分間の休憩を挟んで議会が再開。最後の質問者として公明党の大橋章夫府議が登壇した。大橋氏が『もうそんなにかかりませんので』と述べると、議場では笑いも起きた》

 大橋氏「設置認可申請の取り下げについては(国会の)証人喚問でおよそ次の発言をしている。自分は一生懸命やってきたけれども安倍(晋三)総理の発言や財務省、府から『悪いやつ』というレッテルが貼られ、通るはずだった認可も難しくなった。学園にも自分にも公権力が人権的な圧力をかけてくると思っていたときに弁護士から取り下げた方がよいとアドバイスされ、取り下げたと。この認識は今も変わりないか」

 籠池氏「今もその気持ちは変わっていない」

 大橋氏「変わっていないということだが、開校をめぐってはきちんとした計画、中でも資金計画が存在したのか疑問に思っている。府内で小中高校設置の学校法人のうち78.3%が40億円以上の総資産を計上しており、15億円以下の法人はない。一方、幼稚園のみを設置している法人のうち85.7%が15億円以下。森友学園の総資産は11億4千万円と聞いている。幼稚園運営は可能でも、小学校運営はそもそも無理だったのでは」

 籠池氏「分析していただいて誠にありがとうございます。手前どもの学校は(国有地を購入するのではなく)定期借地と当時考えていた。それによって開校し、その段階で6年後には480人が入ってくることになっていた。予想数字が多少ずれるかも分からないけれども、順調に推移するんではなかろうかなと今にいたっても思っている」

 《財務面の問題を指摘されても、開校さえできればクリアできたと強調する籠池氏。小学校設立を目指したことには誤りはなかったとの認識だ》

 大橋氏「冒頭、学校の教育方針により多くの議員が視察に来るようになり、開校の機運は今と決意したとあいさつされた。機運だけで小学校を開設できるものではない。昨日、7月9日付の読売新聞では総資産額を膨らませ、負債額の割合を30%以下にするために(1億3400万円で取得した国有地の資産価値を)13億円として計上したと書かれていた。貸借対照表の性質を逆手に取った不正処理と思うが、この報道は事実か」

 籠池氏「報道ベースのことについてはちょっと回答を控えたい」

 大橋氏「これも、お答えいただけないかもしれないが、寄付について。大阪府に約4億円の寄付を受け入れていると説明されている。本当に4億円全額が寄付で集まったのか」

 籠池氏「公認会計士の証明付きのもの。手前どもとしてはその通りだろうという認識だ」

 大橋氏「先月の報道では2億円寄付した(とされる)社長が『名前を貸しただけだ』と発言していることが報道された。真実はいかがか」

 籠池氏「先生申し訳ありません。報道についてのことはお答えしにくいということでご認識いただきたい」

■詳報(7終)「知事のせいで融資ストップ」 籠池氏主張変わらず、疑惑の核心触れず に続く