日本の宇宙ビジネス前途多難 H2Aロケット“軌道”不透明 (2/3ページ)

2012.5.19 05:00

  • H2Aロケット21号機の飛行経過

 コストダウンが鍵

 H2Aの打ち上げ費用は通常85億~100億円。欧州のアリアンロケットやロシアのプロトンロケットの約80億円に比べて割高で、米ベンチャー、スペースXが開発した約43億円の「ファルコン」の倍以上だ。

 今後、インドや韓国勢も低価格のロケットで打ち上げ事業に参入を計画しており、「H2Aがコスト面でさらに劣勢を強いられるのは必至」(アナリスト)とみられる。

 このため、三菱重工はH2Aのコストを2020年までに半分に減らす方針。アルミ部品を、同社が開発・製造中の国産小型ジェット機「MRJ」と共通化するほか、電子部品は、市販のカーナビシステムを応用して「ライバルに強力に対抗する」(浅田正一郎・宇宙事業部長)。

 コスト競争力を高めて狙うのは、世界で年20機前後の需要がある静止衛星。現在はシェアの半数を欧州のアリアンスペースが握り、残りをロシアや米国などが奪い合う激戦区だ。

 三菱重工は、モンゴルやチリなど新興国が計画する災害対策用衛星などを受注し、市場の一角に食い込みたい考えで、政府も、宇宙事業の振興に重い腰を上げ、近く「宇宙戦略室」(仮称)を設ける。ただ各省庁の足並みはそろっておらず、日本の宇宙ビジネスの前途は多難だ。(今井裕治)

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