韓国製品は大量生産によるコストダウンと、ウォン安による輸出増加でシェアを拡大してきたが、日本勢が負けたのはそれだけが理由ではない。
「日本企業は知財マネジメントが十分にできていなかった」。内閣官房知的財産戦略推進事務局の安田太参事官(47)はこう指摘する。どういうことなのか?
家電製品の特許と一口に言っても、基礎技術から応用技術、製造技術と広範囲にわたる。日本企業が海外メーカーと特許契約を結ぶ場合、「これから守っていくべき技術と、ノウハウを隠しつつも権利として外部に供給する技術をうまく区別できず、結果的に基幹技術が流出してしまうケースもあった」(特許庁)と説明。将来ビジョンを描いた上で、そのビジネスモデルを知財で守れる人材が少なかったことが、韓国勢に圧倒された原因のひとつというわけだ。
産業界の要請もあり、知財に強い人材を育てようという試みが今、大学で始まっている。
大阪工業大学(大阪市旭区)は平成15年、国内の大学で初となる知財を専門とする「知的財産学部」を設け、特許庁や産業界から知財の専門家を教授として迎え入れた。