「知財の専門家がいなければ、世界では戦えない」と話す山中伸弥教授=京都市左京区(安元雄太撮影)【拡大】
「特許は山ほど取っていかなければならない。iPS細胞には、色んなステップで複数の特許が絡んでくる。すべての特許を取得するのは不可能だが、重要な特許を数多く取ることが必要不可欠だ」
--大学における特許戦略の課題について
「特許戦略では知財の専門家が豊富に必要だが、日本の大学ではこうした人材をきちんとした条件で雇用できていない。優秀な知財専門家が安定した民間企業などに流れてしまい、人材が不足している。研究者が良い論文を書いても、知財の保護を支援できる専門家がいなければ、世界では同等に戦えない」
--特許戦略では競合する研究機関の動向を得ることも必要になっている
「情報収集のため海外でのネットワーク重要だ。海外などで興味をひく講演をすれば、ネットワークをうまく作ることができる。日本の研究者には、自分の研究を分かりやすく説明する能力も求められる」
【やまなか・しんや】大阪市立大学大学院医学研究科博士課程修了。奈良先端科学技術大学院大遺伝子教育研究センター教授や京都大再生医科学研究所再生誘導研究分野教授などを経て、平成22年から京都大iPS細胞研究所所長。23年にノーベル賞の行方を占う賞の一つといわれるウルフ賞(医学部門)を受賞した。49歳。大阪府出身。