レアアースの輸入量【拡大】
ハイテク製品に欠かせないレアアース(希土類)で、中国への依存を減らす取り組みが加速している。
トヨタ自動車や三菱電機など11企業・団体は先月、レアアースを一切使わないモーター用磁石を研究する組織を発足。経済産業省はこの組織に3年間で80億円の資金援助を決めた。レアアースは、世界生産の9割を握る中国が輸出規制を続けている。官民挙げて脱中国依存を進め、ハイテク分野の競争力低下を防ぐ。
トヨタなどが設立したのは「高効率モーター用磁性材料技術研究組合」。中国依存度がとくに高い、希少な「ジスプロシウム」などのレアアースをまったく使わない磁石の開発を進め、10年後の実用化を目指している。経産省も組合に対して今後3年間にわたって資金援助し、開発を後押しする。
個別メーカーでも脱レアアースの取り組みが進む。東芝はジスプロシウムを使わない磁石を生みだし、日立製作所も金属で代替する産業用モーターを開発した。