企業の知的財産担当者数【拡大】
報奨金で意識改革
特許庁によると、国内企業の知的財産担当者は約4万5000人。大半は大企業に勤務しており、中小企業は資金的に余裕がなく、知財に関する専門人材を確保できていないのが実情だ。ただ、中小も手をこまねいてみているだけではない。
鶏卵の選別包装機メーカー、ナベル(京都市)は特許取得などで会社の利益に貢献すれば報奨金を与えるなど、社員の知財に対する意識向上につとめる。
前田金属は、作業工具が成熟技術で新たな特許の取得が難しいため、意匠(デザイン)での差別化を目指す。外部のデザイナーと協力し、全製品に共通するデザインを設定し、中国企業などの模倣に対抗する。
とはいえ、知財の専門人材を確保せずに済ませるという“苦肉の策”にも限界がある。日本の産業を下支えする中小企業が、特許係争で敗北することは経済全体の没落にもつながる。言い換えれば、日本経済の再生に必要なのは、中小企業において知財戦略を立案・実行できる人材の確保であり、国による支援態勢の整備が急務となっている。