シェールガス採掘のイメージ図【拡大】
かつて米国は天然ガスの2割をカタールからのLNG輸入で賄う計画だった。だが、シェールガスの生産本格化で、売り先を失ったカタールのLNGは欧州に流出。
ちょうど東日本大震災後の原発停止で火力発電用のガス需要が激増した時期で、日本も余ったLNGを輸入して急場をしのぐことができた。
割を食ったのはロシアだ。カタール産LNGの流入で、欧州のガス価格は下落。欧州への輸出量も減少し、欧州ガス市場での影響力は低下しつつある。
このため、ロシア政府要人は今年に入り、「日本・中国詣で」を重ねている。3月には、ノバク露エネルギー相が来日し、茂木敏充経済産業相や大手商社幹部と会談し、日本市場へのLNG供給拡大を話し合った。