環境保全で入山料も
環境省によると、夏季(7~8月)の富士山の登山者数は、登山ブームで昨年は約31万8600人を記録、世界遺産登録でさらに増えることが予想される。
富士山を擁する静岡、山梨両県は世界遺産登録を見据え、環境対策を進めてきた。山小屋などに屎尿(しにょう)を分解する「バイオトイレ」も数多く設置。登山者抑制などを目的に関係自治体が3月から「入山料」の本格検討も始めており、来夏の導入を目指している。
こうした動きは、世界遺産委員会から6年ごとに保全状況の報告を求められることも背景にある。問題があると判断された場合「危機遺産」登録や、登録抹消の可能性があるためだ。
過去には取り消し例
実例もある。ドイツの「エルベ渓谷」、オマーンの「アラビアオリックス保護区」は、交通整備や開発を優先したため、世界遺産に登録されながら登録が取り消された。1978年に世界自然遺産第1号として登録されたガラパゴス諸島は、観光客管理が後手に回り、いったん「危機遺産」に転落している。
世界遺産に詳しい国士舘大の岡田保良教授(西アジア建築史)は「富士山は現在でも登山者があふれており、さらに増えれば事故やマナー悪化が懸念される。入山のコントロールが課題で入山料徴収もやむを得ない」と話している。