「消えた資金」
許容疑者はだまし取った生活保護の受給実績を盾に、入居者の所得制限(2人世帯の一般家族の場合は年間227万6千円)がある格安の都営住宅に入居。家賃を節約する一方、店まで2キロ弱の距離を毎日“タクシー通勤”していた。
都営住宅は築40年ほどが経過した10階建て。住民によると、生活保護や年金受給者が多く住む。派手に化粧をし、高そうな服を着てアパート前からタクシーに乗り込む許容疑者を見かけた女性(71)は「ホステスだと思ったし、収入があるのになんでここに住んでいるんだろうと不思議だった」と話す。
新宿区福祉事務所は「日ごろから家庭訪問や面接を行い、生活状況を把握して、適正な支給に努めている」とコメントしたが、男性住民(77)によると、許容疑者は1年ほど前まで何度も、自宅前の廊下にまだ真新しいタンスやソファを粗大ごみとして出しっぱなしにしていたという。「みんな爪に火をともす生活をしている。行政はきちんと確認すべきだ」と憤りを隠さなかった。