五輪終了後には相対的な景気の落ち込みが懸念されるが、北京の場合はあのリーマン・ショックと重なり、中国政府が景気刺激策として4兆元(約56兆円)の財政出動に踏み切ったことで、五輪特需後の落ち込みが厳密にどの程度だったかは算定が難しくなってしまった。
中国経済を長い目でみたとき、五輪特需に続いたこの巨額の財政出動は、住宅やインフラ投資に依存した経済モデルを固定化させてしまったようにみえる。「リコノミクス」と呼ばれる李克強首相の経済政策ですら、当初の触れ込みだった成長速度の抑制が、7月に発表された「7%成長維持」などによって再び上ぶれしそうな気配だ。
五輪のような大型イベントは、終わったあとの出口戦略が必要になる。北京がどうだったかはさておき、2度目の五輪開催となる東京には、その鮮やかな戦略を期待したい。(産経新聞中国総局長 山本秀也)