【論風】知財評論家(元特許庁長官)・荒井寿光 急激に進む知識社会への移行 (2/3ページ)

2013.10.17 05:00

 ◆アベノミクスに貢献

 日本は、成長戦略の柱となる第2世代の知財立国運動を進めなければならない。これは次のように第1世代とは発想が異なり、斬新で世界をリードするものだ。第1に、官民が協力して営業秘密を保護する。特許は出願すれば公開されるので、日本の大量出願は近隣諸国の追い上げを加速させてしまった。これからは企業は特許で独占権を得るものと、技術情報を公開しないものに分けて管理し、政府は営業秘密保護法を制定して、重要な技術情報の国外流出を防ぐことだ。

 第2に、国家間の知財サービス競争に勝ち抜く。今や知財ビジネスは大きなサービス産業となっており、特許の出願、知財契約や訴訟などに関し、世界の顧客獲得の国際競争が激しくなっている。知財高裁や特許庁・文化庁のサービスを向上させ、弁理士や弁護士の国際的な活動を増やす。

 第3に、特許効力を見直す。製品に必要な特許件数が激増している。例えばカメラでは、メカ時代は100件、エレキ時代は1000件だったものが、デジタルカメラでは1万件に急増しており、1件の特許の技術価値は希釈化している。特許の差し止め請求権を技術進歩の実態に合わせて制限し、消費者とメーカーの利益を守る。

 第4に、医療の総合知財戦略の策定。医療は生命倫理とも関連しており、特許はタブー視されてきた。医療が成長分野として期待されているので、政府は単に研究開発を推進するだけでなく、実用化のための知財戦略を作るべきだ。第5に、創作ビジネスの振興。残念ながら日本の創作ビジネスは国際競争力が低下している。今の著作権制度がアナログ時代に作られたものであることも一因だ。デジタル、クラウド時代にふさわしい著作権制度に発展させ、経営者も経営戦略の中心にビジネスの国際展開を据えるべきだ。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!