化学賞は複雑な化学反応をコンピューターでシミュレーション(模擬実験)する手法を開発した米ハーバード大名誉教授のマーティン・カープラス氏(83)、米スタンフォード大教授のマイケル・レビット氏(66)、米南カリフォルニア大特別教授のアーリー・ウォーシェル氏(72)に決まった。
3氏は1970年代、タンパク質など巨大分子の化学反応をコンピューターで理論的に再現する計算法を開発。試験管などを使って実験をしなくても反応を予測できるようになり、医薬品の開発などに幅広く応用されている。
化学反応は分子の構造やエネルギーの状態を計算することで、その様子が分かる。古典的な力学は分子構造を単純化して計算するため速く結果を出せる半面、詳しいことは分からない。一方、ミクロの世界で起きる現象を扱う量子力学に基づく量子化学で計算すれば、電子や原子の状態が詳細に分かるが、巨大分子は計算に膨大な時間がかかってしまう。