地域独占事業だったガスの小売りを全面自由化し、業界をまたいだ公平な競争環境を整える-。12日にスタートしたガス制度改革の議論は、“競争”による価格引き下げが念頭にある。ただ、全国10社体制の電力に対し、209社ある都市ガス事業者の大半は中小事業者。業界からは過当競争を不安視する声も上がる。
「緊張感が市場に存在することが重要だ」
経産省幹部はガス全面自由化の狙いをこう打ち明ける。緊張感が料金引き下げやサービスの多様化につながるというわけだ。全面自由化が実現すれば、電力や石油などエネルギー業界全体を巻き込んだ再編が加速し、海外企業と戦える「総合エネルギー企業」が誕生する可能性もある。
ただ、ガス業界からは「完全自由化しても、これ以上価格が下がるだろうか」(大手都市ガス幹部)と懐疑的な意見もある。
実は、都市ガスの大口部門の小売り自由化は平成7年から始まり、電力より5年も早い。ガス事業者でつくる日本ガス協会によると、23年度末の新規参入事業者の割合(販売量ベース)は、電力が3・56%なのに対し、ガスは17・0%。同協会は「ガス市場のほうが自由化が進んでいる」と主張する。