また、顧客数で首位の東京ガス(東京)は約1千万戸だが、最も少ない東部液化石油(東京)が茨城県で展開する都市ガスの顧客はわずか470戸程度。10社体制の電力に比べ、中小事業者と大手都市ガス会社との規模格差は大きい。中小事業者からは「完全自由化で価格の引き下げ圧力が強まれば、経営が成り立たなくなる」と悲鳴が上がる。
経産省は、競争を促すため、小売り全面自由化とともに、ネットワークへのオープンアクセス(ガス管の開放)を目指す。
ただ、ガス管が張り巡らされているのは関東、関西など一部の都市部に限られる。ある金融系のアナリストは「ガス管網が整備されないと、従来の供給エリアを越えた競争は進まないだろう」と分析する。
ガス事業の自由化に向けたハードルは電力より高いのも事実だ。それでも、電力・ガス政策に詳しい石川和男・政策研究大学院大学客員教授はこう指摘する。
「少子高齢化時代を迎えて、都市ガス事業者は多すぎる。完全自由化をきっかけに、もう少し集約すべきだ」(藤原章裕、三塚聖平)