変化に合わせて日本企業は、研究開発や知財権確保の集中と選択を行い、国際的な視点での権利防衛に取り組んだ。例えば意匠と商標を組み合わせた権利形成、営業秘密やノウハウの秘匿だ。一方、ライセンスや標準化などのオープンな知財活用を重視し、外部調達も検討し始めた。近年では権利行使も視野に入るようになった。最大のポイントは、知財対応が高度化、複雑化するのに合わせて、活動経費の費用対効果を意識するようになったことだ。尺度はさまざまだろうが、日本企業の知財戦略部門の確たる変化を知ることができる。
実際、受託する知財コンサルティングの中身も変化している。海外調査が増え、新興国市場の権利状況だけでなく市場調査も知財戦略担当部門から依頼される。アフリカのような特許や学術データベースが未整備の地域までも含まれるようになった。知財戦略を事業と結びつけ、しかも国際的視点で検討し始めている証左である。
競争力強化の観点から言えば、政策として、従来のような特許出願の増加、知財保護の観点だけではなく、海外市場展開の視点からオープンな知財活用も推進できる専門家や、支援制度を強化すべきである。(談)