これに対して中学生たちは「総長とはどんな仕事をするのですか?」「早稲田という校名の意味は?」「鎌田先生が座長を務めている教育再生実行会議とは?」などと質問。
鎌田総長は-。「総長とは、早稲田大学をはじめとする傘下のいろんな学校の経営の責任者であると同時に、早稲田大学の教育と研究の責任者であり、59万人の会員を抱える校友会の会長も兼ねています」
「早稲田はもともとこの場所の地名で、創立者の大隈重信先生の邸宅があった所です。大隈先生は明治時代の初めに《自由な市民》こそ、これからの世界にとって一番大切な存在であると考え、その考え方を実現する教育を行うために、この場所に早稲田大学を創立しました」
「教育再生実行会議は安倍総理大臣の下にあって、これからの教育の在り方について大所高所から議論する場です。これまでに4つの提言をし、今は5つ目となる小・中・高校の関係についての提言を出そうと議論をしているところです」などと、中学生にも分かりやすくていねいに答えていた。
この後、現役の学部生3人が大学院生の司会で、それぞれの学生生活の日常を紹介する企画「こうはいナビ」を聞いた中学生たちは、想像していた以上に多様な勉強やスポーツ、遊び、アルバイトなどに大いに刺激を受けた様子だった。
最後に全員を代表してお礼のあいさつに立った女子生徒は、「今日の話をこれからの進路選択に生かしていきたいと思います」と締めくくった。
石垣市の中学生たちのこの早稲田訪問には、同市出身の産経新聞社顧問・桃原用昇(とうばる・ようしょう)氏と前早稲田実業学校初等部校長・田宇邦雄(たう・くにお)氏も同行。郷里の後輩たちにエールを送っていた。
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【メモ】石垣市
市のキャッチフレーズは《日本最南端の自然文化都市》。那覇との距離は410キロだが、台湾へは270キロ。今年3月、2000メートル滑走路を有する新石垣空港が開港して、羽田や成田との間に直行便(約3時間)が就航し、本土がぐっと身近になった。市域に尖閣諸島を含んでいる。人口4万8735人(今年10月末現在)。