人気漫画「黒子のバスケ」をめぐる脅迫事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された派遣社員、渡辺博史容疑者(36)=大阪市東成区=の自宅から硫化水素を生成できる住宅用洗剤とみられるボトルが見つかったことが17日、捜査関係者への取材で分かった。
渡辺容疑者が昨年10月に上智大学で見つかった硫化水素について、「市販の住宅用洗剤と染料を混ぜて作った」と供述していることも判明。警視庁捜査1課は同日、渡辺容疑者を送検、自宅で犯行の準備を重ねたとみて裏付けを進める。
捜査関係者によると、捜査1課は16日夜に渡辺容疑者宅を家宅捜索し、洗剤のボトルのほか、黒子のバスケを連載中の週刊漫画誌、コミックス、脅迫文の送付に使ったとみられる封筒などを発見。ボトルはラベルが剥がされた状態で、「硫化水素発生中!!」と書かれた紙も見つかった。
たばこからニコチンを抽出したとみられる茶色の液体入りのペットボトルも残されており、捜査1課はコンビニ店に置かれた関連菓子から検出されたニコチンと同一のものの可能性もあるとみて、調べている。
渡辺容疑者は「高校卒業後、アニメのクリエーターを目指して専門学校に通っていたが、1年ぐらいで中退した」と供述。現在は派遣社員として働いており、捜査1課は、自分が目指していた漫画家として成功している藤巻忠俊さんを妬み、犯行を計画した可能性もあるとみて詳しい動機などを調べる。