ただ、コロンビアの日常生活は意外なほど快適だった。町を歩いているだけで「日本人かい」「どこから来たんだい」と見知らぬ人から次々と声をかけられるなど、コロンビア人たちは驚くほど友好的だった。レストランで居合わせた客から「コロンビア料理はおいしいぞ」と料理を振る舞われたこともあった。
中南米のほかの国では、アジア人への差別も珍しくなかっただけに、「思っていたのとは違う」と親近感がわいたという。
「彼らは外国から負のイメージでみられていることを気にしている。そうした中でも、観光客を増やしたいという思いもあって、外国人にはとても親切だった」というのだ。
わずか半年間のコロンビア生活だったが、音楽が鳴ると自然に「サルサ」を踊り出す陽気な国に、「いつか戻ってきたい」と思うようになった。
大阪で知り合ったコロンビア人のイネスさん(34)と結婚したのも、コロンビアへのプロ挑戦が縁。その後、「すし職人」に転身したのは、「コロンビアにおいしい日本料理店を開きたい」という夢ができたからだという。現在はチェーン店「すしざんまい」の東京・新橋の店舗で副店長として腕をふるっている。