【石油危機の教訓】(上)電力供給に厳しい現実 (2/3ページ)

2014.2.5 05:00

関西電力海南火力発電所の設備をチェックする作業員=1月20日、和歌山県海南市

関西電力海南火力発電所の設備をチェックする作業員=1月20日、和歌山県海南市【拡大】

 ◆計画外停止が2割増

 そうした取り組みも限界を迎えつつある。昨年7、8月に故障などで起きた計画外停止は、前年より2割も増えた。無理やり稼働を続けてきた老朽火力が悲鳴を上げているのだ。

 電力供給の危機は老朽火力だけではない。液化天然ガス(LNG)を燃料とする比較的新しい設備もトラブルとは無縁ではない。発電所で不測の事態が起きれば、予想外の大規模停電に発展する恐れがある。

 実際、そうした危機が2年前に九州で起きている。

 「新大分が止まるかもしれない。すぐに出社してください」

 12年2月3日未明。九州電力中央給電指令所の当直社員は声を震わせながら、自宅で眠る社員を次々に電話でたたき起こした。

 この日、大分市内の気温はマイナス4.3度。この寒さで新大分火力発電所(出力計229万5000キロワット)では配管にたまった水が凍結、ガスを送り込めなくなり、全13基が午前4時すぎに緊急停止した。

 新大分は原発2基分の電力を供給する重要電源だ。工場や事務所の仕事が始まる午前9時までに動かなければ、電力の供給余力を示す供給予備率がマイナス14.8%となり、大規模停電に陥る危険があった。

 配管の氷を溶かすため、所員たちがバケツでお湯をかける作業が続く中、電力需要が増え始める午前6時が刻一刻と近づく。やむなく九電は他の電力各社に緊急融通を依頼。関西、中部など6社が早朝から自社の発電所をフル稼働し電力を九州に送り、大規模停電という最悪の事態は免れた。

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