【石油危機の教訓】(下)空洞化招く電気料金値上げ (2/3ページ)

2014.2.7 05:00

 1973年の第1次石油危機で中東産油国は原油価格を大幅に引き上げた。この結果、日本の電気料金は翌年には一気に50%も上がり、その後も値上げが続いた。こうした激しい料金変動を回避するため、日本は官民で燃料や電源構成の多様化に取り組んできた。

 だが、原発の稼働停止に伴い、石油や石炭、液化天然ガス(LNG)の火力発電向け燃料の輸入が再び急増している。これが響いて日本の昨年の貿易収支は、過去最大となる11兆円超の赤字を記録した。貿易立国の足元が大きく揺らいでいるのだ。

 日本が昨年輸入した化石燃料の費用は約27兆4000億円。経済産業省によると、原発の停止で3.6兆円も余分に買っているという。1日当たり100億円の「国富」が海外の資源国に流出している計算だ。

 政府は電力各社からの値上げ申請の審査にあたり、社員の給与引き下げやボーナスカットなどを含めた徹底的なコスト削減を求めている。それでも円安が加わって燃料費上昇の影響は深刻であり、全国規模で料金値上げが相次いでいる。

 こうした値上げは、各社とも一定の原発再稼働を前提としたものだ。だが、原子力規制委員会の安全審査に時間がかかり、実際の稼働時期は見通せない。このため、九州や北海道は再値上げの可能性も示唆している。

 ◆日本の国力低下も

 老朽化した火力設備を駆使して綱渡りを強いられる電力供給と電気料金の上昇によるコスト増。これは企業の国際競争力の低下につながり、ひいては日本の国力低下を招きかねない。

 安倍政権は企業に投資を促す成長戦略で賃上げを図り、経済の好循環を実現させる構えだ。そのためにも安全性を確認した原発の早期再稼働は欠かせない。

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