--やってきたことは、ベートーベンやマーラーへの冒涜(ぼうとく)になるとは思わないか
「思います」
〈最後の質問に、さすがに罪悪感を覚えたのか、消え入るような声で答えた。別の記者が質問に立つ〉
--音は聞こえるとのことだが、ドレミファは何となくわかるのか
「音の高低ということでしょうか」
--これがド、レ、ミというのは区別できるのか
「私は、絶対音感はありません。音の少し低い高いは感じることができる。以前よりは、テレビを見て音を感じられるようになってきたが、音がねじれて聞き取れないので、自分としては手話通訳も相変わらず必要で、再検査を受けようという気にはなれませんでした。オーケストラのような複雑なものはわかりません」
--絶対音感はないと
「はい」