東京電力福島第1原発の汚染水処理設備「多核種除去装置(ALPS)=アルプス」が汚染水を浄化できていなかった問題で、東電は24日、ALPSの「前処理設備」と呼ばれる工程で、ストロンチウム90など放射性物質をこしとるフィルターに不具合があった可能性が高いとする調査結果を発表した。
不具合が生じたのは、AからCの3系統あるうちのB系。A、C両系のフィルターには異常はなく、東電は同日午後1時ごろに、2系統の運転を再開したが、約6時間後に処理水の移送先のタンク側面の隙間から汚染水0.5リットルの漏洩(ろうえい)が発覚し再び処理を中断した。漏洩水は全て回収しているため外部への流出はない。
ALPSでは、前処理設備で汚染水に薬剤を注入し、ごみなどの不純物を取り除いた上で、フィルターを使い放射性物質をこしとる。その後、樹脂や活性炭などの吸着材を入れた「吸着塔」と呼ばれる装置へ移し、順次浄化していく。
B系ではフィルターでこしとる能力が低下。吸着塔だけでは浄化しきれず放射性物質が残ったままの水がタンクへ流れ着いた。B系のフィルターは3月に交換したばかりだった。異常カ所は断定されたが、不具合の詳しい原因は依然不明。
処理後の水をためるタンク21基が汚染された疑いがあったが、汚染は9基にとどまっていることも判明。ALPSは試験運転中で、東電は4月の本格稼働を目指しているが、今後タンクの除染などが必要となるため本格稼働が遅れる可能性が出ている。