◆環境の変化に対応
--「大学の国際化」とは、そこで行われている教育・研究が世界水準にあるということですね
「その通りで、大学で学ぶ者は『世界水準に達した学問をしっかりと身につける』ことを忘れてはいけません」
「私は今年の入学式(4月2日、3日)での新入生諸君への挨拶で『未来と世界へのゲートウエイとすてきなネットワークへようこそ』と呼びかけました。中央大学は創立のときから世界水準の講義をしてきましたが、私はその伝統を守りつつ、ICT(インフォメーション&コミュニケーション・テクノロジー)化など、21世紀における学びの環境の変化に対応した大学としての『コンテンツの国際化』を推し進めていきます」
「そして国際公務員や海外で活躍する弁護士など、グローバルでイノベーティブな能力をもったスペシャリストを育てていきたい。『グローバル・キャンパス』などの構想は、いうなればその実現のための手段にほかなりません」
--2010年に創立125周年を迎えた中央大学の「第6クオーター(次の4半世紀)」の到達点を、どのようにイメージしていますか
「中央大学の建学の精神『實地應用ノ素ヲ養フ』を現代流に言えば、知識や技術を高度に身につけた『エキスパート』の段階にとどまらず、それを社会に生かす知性をもった『プロフェッショナル』を育てよと言っていると、私は理解しています。私たちはこれを『行動する知性。-Knowledge into Action-』を育むというユニバーシティー・メッセージとして受け継いでいますが、この建学の精神のもと、4つのキャンパスを『国際水準の新しい学びの場』に造り直していきます。(盆子原和哉)