◆NLDに厳しい評価
現在のミャンマーで最も深刻な問題は何かと尋ねたところ、低所得、失業、農業支援不足、公衆衛生の質、教育の質-などが上位に並び、改善すべき問題が多い。
さらに、現政府が進める政策についての評価を尋ねたところ、「評価する」とした人の割合が最も多かった政策は、インフラ整備で、以下、男女平等、和平プロセス、水の衛生化、民主改革、民族平等、犯罪撲滅などの順で続いている。ただ、貧困撲滅については、「評価しない」と答えた人のほうが多く、厳しい評価となった。
一方、これまで軍政については否定的な意見が多いとされてきたが、調査では意外な結果が出ている。国内のさまざまな組織を役に立つ、もしくは期待できる(favorable)かどうかを聞いたところ、トップはメディアだが2番目には国軍がつけた。次いで野党(国民民主連盟=NLD)、与党(連邦団結発展党=USDP)、議会、警察、裁判所などの順となった。
また、個別の政策について各政党の評価を聞いたところ、NLDは教育改革と公衆衛生分野でUSDPを上回るか、同率だったが、治安強化、国の強化、経済改革、民族問題など残る政策では、USDPがNLDよりもはるかに高い評価を得ていた。
今回の調査では、次の選挙でどの政党に投票するのかなどは聞いていないが、政党を選ぶ基準としては、政党のリーダーで選ぶと答えた人が政策で選ぶとした人よりも多かった。
ただ、今回の調査について、ミャンマーの政治評論家は、野党系の英字週刊誌イラワディの取材に対し、「IRIは米政府の資金支援を受けており、調査結果は、対ミャンマー政策が成功していることを示そうとする意図があり、ただのゴミだ」と手厳しい。
もっとも、アウン・サン・スー・チー氏については、個人的人気は高いものの、政治家としての評価は定まっていない。今後は、15年の大統領選挙に向け、スー・チー氏らが要求している大統領候補の資格や議席の25%の軍人枠を定めた憲法の修正問題だけでなく、テイン・セイン大統領が本当に続投するのかどうかに注目が集まりそうだ。(編集委員 宮野弘之)