【視点】産経新聞正論調査室長・工藤均 大川小の被災校舎 (2/3ページ)

2014.4.22 05:00

 検討委員会が今年1月に実施した市民アンケートでは、回答の約1割がリストに記載がない大川小を遺構候補に挙げている。また、宮城県内外の研究者らでつくる「3・11震災伝承研究会」でも、2012年9月に発表した第2次提言の中で「保存が望まれる遺構」として宮城県の沿岸15市町で計46件を選考、大川小も含んだ。

 研究会の木村拓郎座長(減災・復興支援機構理事長)は「地域全体でどうしたいのかをしっかりと相談することだ。地域の中のコミュニティーは重要。小学校をどういう存在に思っているのか」とし、子供たちの行動については「(さまざまな思いがある)大人とは違い、きちんと現実に向き合おうとしている表れだ」と話す。

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 宮城県南三陸町の防災対策庁舎のケースがある。保存か解体かをめぐって町が揺れ、最終的には地元の費用の負担が大きいなどとして、町は解体の方針を打ち出した。だが昨年秋、保存する場合、国が各自治体1カ所の初期費用を支援する方針を示したこともあり、実質的には進んでいない。

 校舎を解体したうえで慰霊碑を建立し、公園として整備するプランが浮上しているという。川沿いの広大な敷地に建ち、抜群のロケーション。建物は密集していない。だからこそこうした話が出てくるのかもしれないが、「現物(校舎)ではなく、石碑という訴え方では教訓を後世に残せるのだろうか」(木村座長)という意見もある。

 今年3月10日には遺族が宮城県と石巻市を相手取り、損害賠償を求める訴訟を起こした。検討委員会の座長で、宮城学院女子大の平川新(あらた)学長は取材に対し、「(大川小については)ノーコメント」を改めて強調した。提訴という新たな動きが出たことで、なおさら取り上げるべきではない、という認識だ。

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