「地下水バイパス計画」により、海への放出作業(矢印)が行われる東京電力福島第1原発=2月17日【拡大】
東京電力は21日、福島第1原発の汚染水を減らすため、原子炉建屋に流れ込む前に井戸からくみ上げた地下水を海に放出し始めた。すでに放射性物質濃度は調査済みの水で、放出基準値を大幅に下回っていることが確認されている。海への放出は漁業関係者が懸念していたが、水の検査や風評被害対策を強化することで、容認していた。
この日放出されたのは、4月にくみ上げ、一時貯留タンクに保管されている約560トン。午前10時25分ごろに放出を開始し、数時間程度で終了。くみ上げ用の井戸は敷地内に12本あり、今後は地下水位を確認しながら、1カ月間かけてくみ上げ量を段階的に増やし、順次、海に放出していく。
くみ上げた水の放射性物質濃度は毎回確認するが、第三者機関のチェックも週に1度実施。風評被害対策として、海水や海産物への影響も調査を強化する。
東電と地元が合意した1リットル当たりの放出基準値は、トリチウムが1500ベクレル(国の排出基準は6万ベクレル)で、セシウム134(同60ベクレル)とセシウム137(同90ベクレル)はともに1ベクレルを下回るよう設定。仮に数値を上回った場合には、即時にくみ上げを停止するという。