分業ゆえの質の高さ
アメコミブームは過去にもあったが、自国の漫画作品があふれる日本では、一部のファンを除きアメコミは根付きにくかった。
「ストーリーが単調」といった典型的なイメージに加え、製作は完全な分業で、出版社に著作権があるものが多く、同じヒーローでも作品ごとに作風が異なることは珍しくない。またスーパーマンは1938年、スパイダーマンは62年から続く長期シリーズで、初めての読者が登場人物や背景を理解しにくいという面もある。
ただ、映画で人気のスパイダーマンは普段はさえない学生で、いつも恋愛や仕事に悩みを抱える等身大のヒーローだ。バトルの間も冗談を言ったり、考え事をしたり、映画で描ききれない魅力にコミックで触れることができる。絵は劇画タッチのものが多いが、フルカラーで陰影やアングルが工夫されており、読み応えは十分。翻訳版に付いている解説を読めばおよその背景も理解できる。
今年は公開中の「キャプテン-」「アメイジング・スパイダーマン2」のほか、30日に「X-MEN:(未登録外字)フューチャー&パスト」、9月に「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」とアメコミ映画の公開が続く。内尾さんは「長く続いているだけに深みがあり、分業ゆえに作品の質が保たれている。映画で興味を持ったら、ぜひコミックも試してみてほしい」と話している。