著者は撤回の理由として、細胞の万能性などの証拠として掲載した画像に捏造(ねつぞう)、改竄(かいざん)があったと認定した理研の調査報告に加え、その後に判明した5項目の誤りを挙げた。
具体的には、共著者の若山照彦山梨大教授が小保方氏に渡したマウスと、それをもとに小保方氏が作製したとしたSTAP細胞で遺伝子が食い違っていた問題を指摘。また、胚性幹細胞(ES細胞)から作製したとして掲載したマウスの画像が、実際はSTAP細胞とされた細胞から作られていたことも問題視した。いずれも細胞の根幹に関わる疑義といえる。
1980年代に報告されたES細胞、2006(平成18)年に山中伸弥京都大教授が作製しノーベル賞に輝いた人工多能性幹細胞(iPS細胞)に続く「第3の万能細胞」として注目されたSTAP細胞。再生医療への応用に期待する声も出ていたが、多くの不正や誤りが明らかになり、日本の科学研究に汚点を残す結果となった。