当初否定していた顧客への金銭的な補償に応じる方針に転じるなど、大量の顧客情報流出問題をめぐるベネッセグループの対応は迷走した。原田泳幸ベネッセホールディングス(HD)会長兼社長らが、ずさんな情報システムの管理体制が情報流出につながったことを当初、認識できなかったことが原因の一つだ。原田氏らは補償で問題の早期収拾を図る考えだが、初動対応の失敗は今後の信頼回復の取り組みに大きな禍根を残しそうだ。
「情報を流出させたのはグループ社員ではない」
大量の顧客情報流出を公表した9日の会見で、ベネッセHDの原田会長は、同社が情報を盗まれた“被害者”であることを強調するとともに、流出した情報を購入して活用したジャストシステムを「経営者の倫理が問われる」と批判した。
しかし、その後警察の捜査などが進む中で、流出が半年以上、それも数回にわたっていても、システム上では気付かない状況が続いていたことが判明。「とても大量の個人情報を扱うデータベース(DB)システムの管理としてはあり得ない」(大手コンピューターメーカー幹部)レベルにあることが明らかになっていった。